問題企業のM&A

それまで業績好調だった企業が社会的不正な事件にかかわり、経営者が逮捕され急速に業績が悪化し、M&Aが行なわれるケースがあります。
最近での一番おおきな事件はオリンパスの損失隠し事件とその後のソニーによる救済M&Aです。
オリンパスは内視鏡の分野で世界に圧倒的シェアを持つ優良企業でした。
ところが金融事業で失敗した多額の損失を隠していたことが発覚し、歴代社長が逮捕されます。
資金援助のためM&Aを申し出た中から、ソニーが選ばれました。
しかしまだこのM&Aの効果について、積極的な評価はありません。
オリンパスにとっては救世主が現れて一命をとりとめたわけですが、巨額の資金を投入したソニーは、その見返りが今後得られるのかどうか、今のところまだ判断できない状況にあるわけです。
このような社会的な不正事件を起こした企業を同業他社が買収したケースは過去にもいくつかあります。
オリンパスと同じように粉飾事件をおこしたカネボウの化粧品部門を業績好調だった花王が買収しました。
化粧品部門の売上げ拡大を狙った戦略でした。
しかし買収が成功したような成果は、まだ上がっていません。
また一時は介護事業で全国トップの座にあったコムスンも、不正事件が摘発されあっという間に業績不振に陥りました。
こちらは同業のニチイ学館が買収し順調に業績を伸ばしています。
また日本の業績不振企業を、外国企業が買収するケースも最近の傾向です。
一時は液晶テレビでその品質の高さにより大きなシェアと利益を上げていたシャープが、国内工場におおきな設備投資をしたとたん、韓国メーカーの急速な追い上げでシェアを逆転され大幅赤字に陥りました。
そこで救済に現れたのが台湾の電気メーカーです。
ところが買収の契約が進行していく中で、シャープの株価が急落し買収計画は何度も座礁しかけました。
また国内最大の半導体メーカーエルピーダメモリーも倒産してアメリカ企業が救済買収を進めています。
エルピーダはこれまで何度も資金不足に陥り、国の援助を受けてなんとか存続していた企業です。
それを安い値段で買って再生させもう一度株式上場させれば莫大な利益を上げる可能性を秘めています。
ケースは少し異なりますが、一度倒産した日本航空が昨年再上場を果たして大きな資金を得たのと同じ構図です。
しかし国内国外の例から、問題企業の買収は安い買物かもしれませんがその分リスクも高いと言えるでしょう。
M&Aの難しいところです。

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